逆転オセロニア Vtuber
June, 2019
Summary
近年エンタメ業界では、3D技術の進化により、コンテンツマーケティングにも、また新たな手法が生まれています。 その中でも、Vtuberゲーム実況は3Dアバターを用いた手法であり、 リアルタイムに連動するアバターを介して、視聴者と新しいコミュニケーションを作り出します。 オセロニアVtuberシステムは、国内でも有数の人気ゲームアプリの、新たなコミュニティづくりに寄与するため、 ゲームプレイの様子やイベントの案内を、公式からリアルタイムで実況配信。 演者の様々な動作に合わせて、アバターが躍動的にインタラクションするシステムです。
Workflow and Technical details
連動を実現するためのトラッキングには、センサーとなるVIVEトラッカーを8台同時に使用しています。 演者の動きに合わせ、アバターは高精細に追従します。
Physics
演者が装着する機材には、伸縮タイプのセンサーではなく、 範囲内で位置を検出するタイプを採用しています。 それぞれの関節の位置を、相対的に計算する伸縮タイプに比べ、 位置検出タイプは、関節の絶対的な位置を、常に独立させた形で検出しており、 Vtuberに生じやすい「ぶれ」を、大幅に軽減しました。 また、独自に選定した物理演算ソフトを使用することで、 演者の身体データをアバターに反映させ、よりリアルで滑らかなモーションを実現しました。
Appearance
Vtuberシステムは、モデルデータと背景に合わせて、 リアルタイムにポストプロセッシングを行っています。 適用したモーションブラーやアンチエイリアスは、 キャラクターの輪郭線を、後編集することなく背景になじませることが可能です。 声に合わせた口の連動、揺れ方の物理演算など、 アバターに適した見た目の調整を詳細に行うことで、キャラクターアバターは、より一層、存在感を高めます。
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Controller
オリジナルのコントロールシステムを使えば、演者以外のオペレータが、 外部からコンテンツを操作することもできます。 カメラの視点切り替え、背景やテクスチャの変更。 キャラクターアバターの表情や手の形状などの制御を、放送の中で直観的に操作できるよう設計しました。
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また、コントロールシステムはTouchDesignerで制作しており、MIDI機器を接続することで、 役割分担をした、複数人での同時オペレーションを実現しています。 付属のマニュアルには、操作方法や各種機材設定、トラブルへの対処方法などを記載しています。
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オセロニアVtuberシステムは、 機材や物理エンジンにこだわることで、 巨大なスタジオや高価なセンサーを利用せずとも、 高精度・高精細なシステムを実現しました。
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Credit | Producer: Shigeki Inaba |