TUNNEL TOKYO

September, 2018

TUNNEL TOKYOは、セガサミーの運営する、スタートアップ企業や個人起業家が利用できるメンバー制のワークスペースです。セガサミーグループの従業員と外部の才能が直接触れ合う事や、会員メンバー間のコミュニケーションを促進する事で、新しいビジネスやアイデアを創造していきます。 THINK AND SENSEでは、コンセプトデザイン、空間設計、メディアシステム開発、Web会員管理システム開発まで、すべての工程を一貫して担当しました。 セガサミー様とゼロから作りあげた共同開発です。

 

Background

TUNNEL TOKYOは、セガサミーグループの本社移転に伴い、総合受付フロアに計画された、コーワーキングスペースです。セガサミーグループ総合受付のそばにあり、スタートアップ企業との交流を促進するインキュベーションセンターとしての役割を兼ね、社内外のコミュニケーションを促進するスペースを目指すことを目標に掲げています。

 

Concept

コミュニケーションを促進するスペースとして、さまざまなタイプのイベントや、状況に合わせた使い方のできるフレキシブルなスペースをコンセプトに設計を行いました。 イベントスペースとしても活用できるオープンスペース、会員の方々が、ゆったり作業をできるラウンジスペース、その2つをつなぐ、象徴としてのトンネルから構成されています。 また、設計の初期段階から、VRでの空間のプレビューを行い動的に変化する環境のシミュレーションや、サイネージ、LED照明などのシミュレーションも詳細に行い、設計に反映させていきました。

 

Space Design

イベントスペースとしても使用されるオープンスペースには、壁と一体になったLEDヴィジョンを配置し、天井には様々な雰囲気を作り出すことのできるフルカラーLED折り上げ天井を設置しました。LEDヴィジョンは、様々なレイアウトで活用することができます。

TUNNEL TOKYOのシンボルであるTUNNELは37本の門型LEDで構成され、自由に光をコントロールすることで空間の雰囲気を作りだし、奥のスペースへの高揚感をアトラクティブに演出します。 また、これらのサイネージ、LEDは1つのTUNNEL Media Systemによって、統一されたコントロールが可能になっています。

TUNNELを抜けた先の会員スペースは、アトラクティブなオープンスペース側とは対照的に、 解放感のある落ち着いたスペースを目指しました。 落ち着いて仕事に取り組むことができるよう、広々としたコーワーキングスペースとして使うことのできる設計になっています。 また、会議室は、それぞれイメージに合わせて色分けがされています。

 

Workflow and Technical details

VRを用いた空間設計

建築用の3Dモデルをベースにゲームエンジン上で、VRで見ることのできるスペースシミュレータを開発しました。 空間のレイアウト決定に向けて、イメージをより具体化するという役割はもちろんのこと、 プレゼンテーションツールの一つとして合意形成を支援するツールとしても活躍しました。

また、このシミュレータは、サイネージのコンテンツ開発用のシミュレータとしても活躍しました。サイネージの施工完了から、オープンまでの短い時間でメディアシステムの調整を行うことは難しく、事前にシミュレータ上で、動作を確認することで、現場での各種調整時間の短縮に寄与しました。

 

TUNNEL Media System

大型のLEDヴィジョン、トンネルのLED、折り上げ天井のLEDは、TUNNEL Media System によって、統合的にコントロール可能になっています。 TUNNEL TOKYOのために開発したオリジナルのコントロールシステムです。 直観的なUI操作でき、空間の様々なシーンを作りだすことが可能です。

また、LEDヴィジョンのタイムラインには、映像だけでなくリアルタイムに生成するジェネレーティブなヴィジュアルを組み込むことも可能になっています。

 

Graphic Design

TUNNEL TOKYOのロゴは「新しいビジネスやアイデアを創造する」というコンセプトをビジュアル化するべく、“TUNNEL GRAND VISION”と“BIG GATE TUNNEL”という二つのシンボルをシンプルな門型マークへと落とし込み、斬新さと普遍性を併せ持つロゴタイプと組み合わせることで、“未来への可能性を後押しする場”としての思いを表現しています。

マークとしてよりシンボリックになった門型は、和柄にも見えるグラフィックパターンやTUNNEL TOKYOオリジナルキャラクターとしても展開し、WEBサイトやサイネージ。印刷物やグッズ・アメニティとして親しまれるなど、面として機能するシンボルに発展しました。

 

Credit

Producer: Shigeki Inaba
Technical Direction / System Design: Shuhei Matsuyama
Architect / Space Design : Kazuhiro Itagaki
Concept Design : Daisuke Nishimura, Asako Tsurusaki
Web System Director :Daisuke Kiyota
Graphic Design :Junichi Kohmura